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2014/3/26

ゲシェフトフューラーの豆知識

高齢入社社員への企業年金不支給で最高裁判決

この記事の要約

一定年齢以上で入社した社員は企業年金の支給対象から除外できる。これは一般平等待遇法(AGG)10条第3文4項に記されたルールである。では、企業は同年齢を任意に設定することができるのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の […]

一定年齢以上で入社した社員は企業年金の支給対象から除外できる。これは一般平等待遇法(AGG)10条第3文4項に記されたルールである。では、企業は同年齢を任意に設定することができるのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が18日に判決(訴訟番号:3 AZR 69/12)を下したので、ここで取り上げてみる。

裁判は1999年1月1日付けで被告企業に入社した元社員が起こしたもの。同社の企業年金協定には、支給対象とする社員を◇勤続10年以上◇入社時の年齢が45歳未満――とする条項があった。原告は1945年6月生まれで入社時の年齢が53歳に達していたため、企業年金の支給を拒否された。

原告はこれを不当として提訴。下級審で勝訴し、最高裁のBAGも下級審判決を支持した。判決理由で裁判官は、入社時の年齢が高い社員を企業年金の支給対象から外すことはAGG10条第3文4項で原則的に認められているが、被告企業では同年齢が45歳と低い点を指摘。定年まで勤務すれば勤続期間が20年に上る社員を除外するのは不当であり、AGGで禁じられた年齢差別に当たるとの判断を示した。被告企業に対し、原告に企業年金を支給するよう命じている。