ドイツ連邦統計局が3月28日発表した同月の消費者物価指数(速報値)は、前年同月比の上昇率が1.0%となり、3カ月連続で縮小した。インフレ率は10年8月以来の低水準。エネルギー価格が1.6%低下したほか、食料品の上げ幅がこれまでの3~5%台から2.2%へと大幅に縮小したことが影響した。ディスカウントスーパーの値下げ競争が激化していることが反映されたもようだ。前月比の物価変動率はプラス0.3%だった。
欧州連合(EU)基準の物価上昇率は前年同月比が0.9%、前月比が0.3%。
一方、EU統計局ユーロスタットが31日発表した同月のユーロ圏のインフレ率(速報値)は前年同月比0.5%となり、前月の0.7%を0.2ポイント下回った。これは2009年11月以来の低水準で、デフレ懸念が一段と強まってきた。ユーロ圏は債務危機が沈静化し景気回復も軌道に乗りつつあるが、デフレ回避が新たな課題となりそうだ。欧州中央銀行(ECB)が3日の定例政策理事会で行う協議に関心が集まっている。