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2014/4/2

企業情報

Daimler AG―リチウムイオン電池合弁2社を完全子会社化―

この記事の要約

自動車大手の独Daimler(シュツットガルト)は1日、自動車用リチウムイオン電池の分野で化学大手Evonikとの提携を解消すると発表した。リチウムイオン電池と同電池用セルの分野で両社の合弁会社2社を完全子会社化する。E […]

自動車大手の独Daimler(シュツットガルト)は1日、自動車用リチウムイオン電池の分野で化学大手Evonikとの提携を解消すると発表した。リチウムイオン電池と同電池用セルの分野で両社の合弁会社2社を完全子会社化する。Evonikは両事業で赤字が続いているうえ、長期的にみて高い利益率を確保できる見通しも立たないため、昨年秋に撤退方針を打ち出していた。

リチウムイオン電池の合弁会社Deutsche ACCUmotiveの資本10%と、リチウムイオン電池セルの合弁会社Li-Tec Batteryの資本50.1%をそれぞれ譲り受ける。取引金額は明らかにしていない。

Li-TecはEvonikが2006年にLi-Tec Vermögensverwaltungs-GmbHとして設立した開発・製造会社で、08年にDaimlerの出資を受け入れ、社名をLi-Tec Batterie GmbHに変更した。出資比率はEvonikが50.1%、Daimlerが49.9%。独東部のカメンツに工場を持ち、2011年に生産を開始した。従業員数は380人。

Deutsche ACCUmotiveは09年の設立で、12年からカメンツで生産を行っている。出資比率はDaimlerが90%、Evonikが10%。従業員数は230人で、西南ドイツのキルヒハイム・ウンター・テックに本社がある。

両合弁は製品の供給先がDaimler傘下の超小型ブランドSmartに限られており、採算がとれていない。Evonikは今後、経営資源を特殊化学分野に絞り込む意向だ。