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2014/4/9

経済産業情報

独製機械は中国のニーズに合致せず、「多機能すぎて宝の持ち腐れに」

この記事の要約

ドイツの機械メーカーが、中国市場で戦略の転換を迫られている。ドイツ製品は技術力が高く機能も充実しているものの、現地顧客の多くは使いこなせず、操作が簡単なローテク製品に切り替えてしまうためだ。シェア獲得で後れをとらないため […]

ドイツの機械メーカーが、中国市場で戦略の転換を迫られている。ドイツ製品は技術力が高く機能も充実しているものの、現地顧客の多くは使いこなせず、操作が簡単なローテク製品に切り替えてしまうためだ。シェア獲得で後れをとらないためには、ニーズに見合った製品開発など、現地事情を踏まえた戦略が必要なようだ。国外経済情報紙『ナッハリヒテン・フュア・アウセンハンデル』が2日付で報じた。

マンハイム大学付属中小企業研究所(IFM)とドイツ機械工業連盟(VDMA)が昨年8月に発表した中国機械市場動向によると、同国の市場規模は2003年の770億ユーロから12年には6,780億ユーロへと約9倍に拡大した。ニーズが特に高まっているのは中価格帯製品で、市場シェアは今後3~5年で現在の34.3%から40.3%に拡大する見通しだ。IFMの関係者は「高機能・多機能であってもユーザーが一部の機能しか使わなければ、相対的に高額なドイツ製機械はコストパフォーマンスの点で必ずしも中国ユーザーの期待に応えていない」と指摘する。この結果、ローテク分野で強い中国企業がシェアを伸ばす可能性が高いという。

ドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)の関係者も、「(ハイエンドなど)特定の市場セグメント、あるいは成熟市場など1市場に注力する戦略は長期的にみて競争力の維持に適さない」と指摘したうえで、先進市場向けには高機能品、新興国向けにはローテク品といった二刀流戦略が必要だとの考えを示した。