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2014/4/16

経済産業情報

ソーラー飛行機の2号機披露、15年に世界一周へ

この記事の要約

太陽エネルギーのみを駆動源とする有人小型飛行機を開発するソーラー・インパルス(スイス・ローザンヌ)は9日、試作第2号機「Solar Impulse 2(SI2)」を公開した。2009年に作成された1号機(HB-SIA)よ […]

太陽エネルギーのみを駆動源とする有人小型飛行機を開発するソーラー・インパルス(スイス・ローザンヌ)は9日、試作第2号機「Solar Impulse 2(SI2)」を公開した。2009年に作成された1号機(HB-SIA)よりも大型化し、最高速度などの性能も向上している。開発チームは試験飛行を経て15年4月にも世界一周飛行に出発する計画だ。

SI2の翼幅は1号機より8.6メートル長い72メートルで、ボーイング747型8型機(68.5メートル)を4メートル上回る。両翼に搭載された単結晶シリコン太陽電池は1万7,248枚で、飛行に必要な電力をまかなう。重量は余剰電力を蓄えるリチウムイオン電池(633キログラム、重量エネルギー密度260Wh/㎏)を含めわずか2,300キログラム。出力17馬力(13.5kW)のモーター4機を搭載し、最大時速は140キロメートル、水平飛行時の平均巡航速度は90キロメートル、上昇限界高度は8,500メートルに達する。

コクピットの広さは3.8平方メートル。最大5日間の無着陸連続飛行を想定し、パイロットがシートを倒して横になれるようデザインされている。ただ、旅客機のように気圧・温度調整機能はなく、パイロットは高度8500メートル、気温マイナス40度の過酷な世界にさらされる。