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2014/5/14

経済産業情報

ショッピングカートの店舗外持ち出し禁止で購買行動に変化

この記事の要約

買い物客などによるショッピングカートの持ち出し(盗難)に多くのスーパーマーケットが頭を痛めるなか、流通大手のReweがカートの店外持ち出しを防止するシステムを試験導入した。顧客がカートとともに店を出ようとするとカートの車 […]

買い物客などによるショッピングカートの持ち出し(盗難)に多くのスーパーマーケットが頭を痛めるなか、流通大手のReweがカートの店外持ち出しを防止するシステムを試験導入した。顧客がカートとともに店を出ようとするとカートの車輪にブロックがかかって動かせなくなる仕組みだ。6日付『南ドイツ新聞』が報じたもので、買い物客の購買行動に変化が生じたという。

ショッピングカートを買物した商品とともに敷地外に持ち出した後、そのまま空き地や歩道などに放置したり、自分の持ち物を運ぶために私物化してしまう消費者は後を絶たない。カートは1台当たり100~250ユーロのコストがかかるため、盗難は店にとって大きな損害となる。

持ち出し防止に向け、客用駐車場の入口でカートの車輪にブロックがかかるシステムを導入する小売大手がドイツでもここ数年、増えているが、Reweはこれをさらに進め、店内からカートを持ち出せない方式をケルン・ジュルツ地区の都市型小型店(Rewe City)で試験導入。5カ月間にわたって顧客の反応などを調べた。

この結果、カートの盗難はなくなったものの、ミネラルウォーターやケース・箱買いの飲料など、重くてかさばり、手に持って運ぶのが面倒な商品の売り上げが大きく落ち込んだ。広報担当者によると、同店舗の飲料売上は2ケタ台の比率で減少した。