化学大手の独Lanxess（ケルン）は22日の株主総会で、投資額を来年から大幅に引き下げる方針を明らかにした。同社は市場環境の悪化を受けて赤字経営に陥っており、収益力強化に向けた取り組みの一環として投資を縮小する。マティアス・ツァッハルト社長は「今後2～3年は厳しい状況が続く」と述べ理解を求めた。
今年は投資額を前年並みの6億2,500ユーロに据え置くものの、来年は6億ユーロを大幅に下回る水準に削減。2016年は4億～4億5,000万ユーロにまで引き下げる。今年の投資額を引き下げないのは、合成ゴムの生産能力拡張に向けた中国とシンガポールの大型プロジェクトが進展した段階に達しているため。
同社は世界最大の合成ゴムメーカーで、業界の過剰生産能力、市場価格の下落、競争激化の直撃を受けている。13年12月期の最終損益は1億5,900万ユーロの赤字となり、前期の黒字（5億800万ユーロ）から大幅に悪化した。
