アレクサンダー・ドブリント連邦交通相(社会民主党)は11日、2030年までの国内運輸需要予測を発表した。それによると、国内の貨物輸送量は年率1.6%のスピードで増加し、30年には10年比で1.38倍に拡大する見通し。ドブリント連邦交通相は、既存のインフラでは交通量の増加に対応できないとして、インフラ整備に向けた投資加速の必要性を強調した。
同予測レポートは連邦交通省の委託を受けて交通・運輸の専門家が作成したもので、手段別の貨物輸送量は、全体の7割を占めるトラックが39%増の6,074億トンキロメートル(tkm)、鉄道が43%増の1,537億tkm、船舶(河川)が22.8%増の765億tkmにそれぞれ拡大する見込み。
旅客輸送(自家用車、自転車、徒歩による移動を含む)の分野では、輸送量が10年の1兆1,843億人キロメートルから30年には12.2%増の1兆3,287億人キロメートル(pkm)に拡大する。移動手段別では自家用車が9.9%増の9,918億pkm、鉄道が19.2%増の1,001億pkm、公共道路運送(バス・トラム)が6.0%増の828億pkm、航空が65%増の870億pkmに伸びる。
鉄道の伸び率が平均を上回るのは、通勤・通学、出張で目的地までの距離が伸びる傾向にあることを反映している。人口が減少しているにもかかわらず自家用車の利用が増加するのは、足腰の弱い高齢者の増加でなど、マイカーを移動手段とする人が増えるためという。