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2014/6/18

経済産業情報

クリミア危機で機械業界に打撃、対ロ輸出認可の却下・凍結が60件に

この記事の要約

ウクライナをめぐるロシアと欧米の対立がドイツ機械業界のロシア向け事業に大きなしわ寄せをもたらしている。ドイツ機械工業連盟(VDMA)が12日開催の専門家会合で明らかにしたところによると、連邦経済輸出監督庁(BAFA)から […]

ウクライナをめぐるロシアと欧米の対立がドイツ機械業界のロシア向け事業に大きなしわ寄せをもたらしている。ドイツ機械工業連盟(VDMA)が12日開催の専門家会合で明らかにしたところによると、連邦経済輸出監督庁(BAFA)から却下ないし凍結された会員企業の対ロ輸出認可申請件数はこれまでに約60件に達した。VDMAの貿易担当者は、こうした輸出規制によって一部の中堅企業が存続の危機にさらされていると述べ、強い危機感を示した。

VDMAによると、輸出に強い制限がかかっているのは民生用と軍事用のどちらにも使うことができるデュアルユース技術で、特にロシアの複合企業に工作機械を輸出しているメーカーが影響を受けている。半年も前に申請した数百万から数千万ユーロの輸出認可がいまだに下りていない中堅メーカーも数社あるという。輸出認可までの時間がさらに伸びると、輸出先の企業が注文をキャンセルし、メーカーは多額の損害を受ける恐れがある。

VDMAが会員企業を対象に実施したアンケート調査でも、現在の事業でクリミア危機の影響が「出ている」と回答した企業は66%に上り、「出ていない」の34%を大きく上回った。どのような影響が出ているかを尋ねたところ、「照会件数が減った」(63%)、「受注減少」(61%)、「融資など資金面で問題」(45%)、「注文のキャンセル」「売掛金が回収できない」(14%)などが挙がった。