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2014/7/23

企業情報

デュル―木工機械メーカーHOMAGを買収―

この記事の要約

塗装機械大手の独デュル(シュツットガルト)は15日、独木工機械大手のHOMAGを買収すると発表した。すでにHOMAGの過半数株取得で合意しており、今後は有価証券取得・買収法(WpUeG)の規定に基づき株式公開買い付け(T […]

塗装機械大手の独デュル(シュツットガルト)は15日、独木工機械大手のHOMAGを買収すると発表した。すでにHOMAGの過半数株取得で合意しており、今後は有価証券取得・買収法(WpUeG)の規定に基づき株式公開買い付け(TOB)を実施する。買収実現後もHOMAGを独立企業として存続させる方針で、スクイズアウト(少数株主からの強制的な株式買い取り)と上場廃止は行わないとしている。取引の成立には独禁当局の承認が必要。

デュルはHOMAG株53.7%を大株主から計2億1,900万ユーロで取得する。議決権比率は75.8%に達する。

TOBは1株当たり26.35ユーロで実施する。これは過去3カ月間の加重平均株価を13.1%上回る水準。

HOMAGは木工加工機械の世界市場シェアが28%の有力企業で、従業員数は約5,300人。昨年の売上高は7億8,900万ユーロで、売上高営業利益率(EBITベース)は4.4%だった。

デュルは売り上げの大半を占める塗装機械分野で成長の余地が限られていることから、新たな事業分野を開拓している。今回の買収はその一環で、事業プロセスやIT、調達分野でシナジー効果を見込む。HOMAGは同社の傘下に入ることで新興国、北米を中心に事業基盤を強化。事業のグローバル化を加速する。