鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップ（エッセン）は17日、赤字が続く伊ステンレス鋼子会社アッチャイ・スペチャーリ・テルニ（AST）の経営再建計画をイタリア政府と労組に提示した。事業分野の絞り込みや人員・コスト削減を通して持続的に利益を稼げるようにする考え。
ティッセンクルップは2012年、ステンレス鋼事業をフィンランドのステンレス鋼大手オウトクンプに売却した。その際、ASTもオウトクンプに譲渡したものの、オウトクンプの要請を受けて売却した事業の一部を今年2月に買い戻し、ASTを再び子会社化した。
ASTの経営再建に向けては冷延ステンレス鋼事業を拡張するとともに、電炉2基を廃止。従業員2,600人のうち550人を削減する。コストは年1億ユーロ以上を圧縮する計画だ。低迷する市場が大幅に回復し、経営再建の全目標が達成された場合は電炉の廃止方針を見直すとしている。
