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2014/9/10

企業情報

ボナフェルデ―焙煎機能付きコーヒーメーカー発売へ―

この記事の要約

ベルリンのスタートアップ企業ボナフェルデ(Bonaverde)が自社開発の焙煎機能付きコーヒーメーカーを世界で初めて販売する計画だ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたもので、予約販売した製品の引き渡しを今秋にも […]

ベルリンのスタートアップ企業ボナフェルデ(Bonaverde)が自社開発の焙煎機能付きコーヒーメーカーを世界で初めて販売する計画だ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたもので、予約販売した製品の引き渡しを今秋にも開始する。ハンス・シュティーア社長は「コーヒー市場に革命を起こしたい」と抱負を語った。

同コーヒーメーカーには焙煎とミルの機能がついており、焙煎開始からコーヒーが出来上がるまでの時間は15分。価格は300ユーロとなっている。

同社はコーヒー生豆の調達も仲介する考えで、顧客は同社が契約するエチオピア、ニカラグア、インドのコーヒー農家に直接、注文できる。注文した品は契約先の物流企業がドイツまで輸送する。

ドイツの税制では焙煎したコーヒー豆に課税(1キロ=2.19ユーロ)する決まりとなっており、焙煎前の生豆は課税対象となっていない。このため、ボナフェルデの顧客は豆を非課税で調達できる。同社は税負担の軽減分をコーヒー農家に還元する方針だ。

運転資金はインターネットで事業モデルを説明して投資家を募るクラウドファンディング方式で調達した。昨秋と今年7月に合わせて130万ユーロ以上を確保している。

同社が成功するかどうかについては疑問を投げかける専門家も多い。その理由の1つは、非課税であるにもかかわらずコーヒー豆の市販価格が1ポンド(約454グラム)当たりおよそ6ユーロに上るとみられることだ。ドイツでは焙煎したコーヒー豆が500グラム当たり5ユーロ未満で販売されており、ボナフェルデのコーヒー豆には割高感がある。同国のコーヒー消費量が1人平均で年165リットルに達することと、消費者のコスト意識が高いことを踏まえると、同社の豆は受容されない恐れがある。

もう1つの問題は焙煎直後のコーヒー豆は苦味が強いうえ、香りが十分に開いていないという点だ。これに対し同社は、◇同コーヒーメーカーは焙煎直後でもおいしく飲めるよう設計されている◇試飲者から高い評価を受けている――と反論している。