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2014/9/24

経済産業情報

軍需産業の空洞化を業界団体が警告

この記事の要約

独防衛業界団体BDSVのアーミン・パッペルガー会長(ラインメタル社長)は『南ドイツ新聞』のインタビューで、防衛産業が空洞化する恐れがあると警鐘を鳴らした。国防軍からの受注が減少しているうえ、政府が武器輸出規制を強化してい […]

独防衛業界団体BDSVのアーミン・パッペルガー会長(ラインメタル社長)は『南ドイツ新聞』のインタビューで、防衛産業が空洞化する恐れがあると警鐘を鳴らした。国防軍からの受注が減少しているうえ、政府が武器輸出規制を強化しているためで、「大手軍需企業はすべて、長期的に国内にとどまることができるかどうかを検討している」と明言した。

ドイツではガブリエル経済相(中道左派・社会民主党=SPD=の党首)が軍需輸出の審査を厳格化している。ドイツ製兵器の輸入国が治安目的で投入することを懸念しているためだ。

パッペルガー会長はこれに対し、ドイツ政府が国内軍需メーカーの製品を購入しないうえ、輸出も禁止するのであれば、メーカーに残された選択肢は国内の生産能力と雇用を削減するか、国外に生産拠点を移転するかのどちらかだと指摘。「米国やスイス、フランスといった国々は独兵器メーカーの投資を歓迎するだろう。こうした国は武器輸出規制も(ドイツより)緩い」と述べ、経済相に政策の見直しを求めた。