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2014/9/24

経済産業情報

「レジ袋ゼロへ」、キール市が決議

この記事の要約

北ドイツのキール市はプラスティック製のレジ袋を市内から一掃する考えだ。廃棄されたレジ袋を海洋生物が誤食する結果、食物連鎖を通して人の健康も害される懸念を受けた措置。同市の取り組みが全国に広がるかどうかが注目されている。 […]

北ドイツのキール市はプラスティック製のレジ袋を市内から一掃する考えだ。廃棄されたレジ袋を海洋生物が誤食する結果、食物連鎖を通して人の健康も害される懸念を受けた措置。同市の取り組みが全国に広がるかどうかが注目されている。

キール市議会は19日、プラスティック製レジ袋の利用全廃に向けて取り組むことを決議した。市当局は今後、小売店、露天商、廃棄物事業者、消費者センターの代表と協議し、具体策をまとめる予定だ。この取り組みはあくまで任意ベースで実施するため、成果が上がるかは定かでなく、市当局はメディアの問い合わせに「われわれはたぶん、新しい流れを作り出すことができるでしょう。でも成功するかどうかは分かりません」と回答している。

欧州連合(EU)の推定では、域内のレジ袋利用数は2010年時点で1人当たり年198枚。このうち9割が再利用の難しい薄型で、多くが廃棄されている。EUはこれを踏まえ、2017年までにレジ袋の利用を2010年の水準と比べて50%以上削減し、さらに19年までに80%以上削減する方向で法案の策定を進めている。