ドイツ政府は1日の閣議で、改正借家法(MietNovG)案を了承した。人口密集地域で家賃が急上昇していることを受けたもので、家賃を非高額所得者の手の届く水準にとどめる狙いがある。来年半ばの施行を目指している。
賃貸契約時に各地の相場を10%超、上回る家賃を禁止する。「ミートプライスブレムゼ」(直訳すると「家賃ブレーキ」)と呼ばれる同ルールの適用対象となるのは家賃が急上昇している地域で、対象地域は各州当局が指定する。指定期間は最大5年間。
同ルールは新築住宅と「抜本的な改修」を行った住宅には適用されない。適用すると建設投資に水を差し、住宅不足を招く恐れがあるためだ。抜本的な改修の定義は「投資額が同等の新築住宅の3分の1を超えるもの」とされている。
法案にはこのほか、(1)借家人は以前の借家人が支払っていた家賃の額を知らせるよう貸し手に要求できる(2)仲介手数料は不動産事業者に仲介を依頼した側が支払う――との規定も盛り込まれた。仲介手数料はこれまで、借り手が支払うのが普通だったが、今後は貸し手が支払うケースが増える可能性がある。