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2014/10/8

企業情報

テンゲルマン―スーパー事業から撤退―

この記事の要約

小売大手のテンゲルマン(ミュールハイム・アン・デア・ルール)は7日、食品スーパー子会社カイザースを同業エデカに売却することで合意したと発表した。カイザースは事業規模が小さく赤字が続いており、単独で生き残るのは不可能と判断 […]

小売大手のテンゲルマン(ミュールハイム・アン・デア・ルール)は7日、食品スーパー子会社カイザースを同業エデカに売却することで合意したと発表した。カイザースは事業規模が小さく赤字が続いており、単独で生き残るのは不可能と判断した。取引金額は非公開。売却手続きは独禁当局の審査を経て来年6月末に終了する見通しという。

カイザースは店舗数が451カ所で、事業の展開地域がノルトライン、ミュンヘン、オーバーバイエルン、ベルリン(周辺地域を含む)に限られている。従業員数は1万5,958人。売上高は18億ユーロで、市場シェアは0.6%にとどまる。これまではオーナーのハウプ家が赤字を補てんしてきたが、自力で黒字転換する見通しが立たないため、売却へと踏み切った。オンライン子会社テンゲルマン・Eストアズもエデカに譲渡する。

ドイツの食品スーパー市場では寡占が進んでおり、エデカ、レーベ、アルディ、シュバルツ・グループ(リドル)、カウフランドの5大勢力は合わせて85%のシェアを持つ。このため、今回の取引は当局に承認されない懸念もあるが、エデカのマルクス・モーサ社長はロイター通信に、カイザースが事業展開している地域ではエデカのシェアが小さいと発言。独禁法上の問題はないとの見方を示した。