世界5位の種子メーカーである独KSWザート(アインベック)が米ミズーリ州セントルイスに研究開発拠点を建設している。同地はバイオテクノロジー分野の産業クラスターが形成されているため、利便性が高いと判断。北米・南米は欧州と異なり遺伝子組み換え(GM)作物に対する受容度が高いことも進出の大きな決め手となった。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が16日付で報じた。
セントルイスにある産業団地バイオリサーチ・アンド・デベロプメント・グロース・パーク(BRDG Park)内に開設する。投資額は約500万ユーロ。従業員数は当初25人でスタートし、数年後に80人へと拡大する。
同施設ではGM作物、ゲノム分析、突然変異、DNAマーカーなどを研究する。将来的には生物製剤も視野に入れている。
セントルイスにはバイオ分野の大学研究機関やスタートアップ企業が充実しており、世界最大手の米モンサントも巨大な研究開発拠点を持つ。
ドイツではGM作物に対する市民の拒否感が強く、連邦議会(下院)に議席を持つ政党もすべて同作物に反対している。こうした事情を背景に、バイエルとBASFはすでに、GM作物の研究開発事業を国外に移管している。