労働者の人権や環境に配慮した繊維製品の実現に向けてドイツの衣料品メーカーや小売企業が16日、「持続可能な繊維のための連盟」という名の団体を立ち上げた。ゲルト・ミュラー連邦経済協力・開発相が発案したもので、途上国や新興国の繊維工場で働く労働者の待遇改善を主な目的としている。
同連盟には計29の企業、業界団体などが加盟した。加盟企業は下請け工場で◇極端に低い賃金が支払われる◇有害な化学品が使用される――などの事態が起こらないようにすることを義務づけられる。
同連盟の立ち上げに向けては60以上の企業、団体が関与したが、アディダス、プーマ(ともにスポーツ用品)、アルディ、リドル(小売)、H&M、C&A(ファストファッション)などは加盟を見送った。バリューチェーンの全過程で同連盟の基準順守を監視することは実質的に不可能なためだ。業界情報として『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたところによると、Yシャツ1枚の製造に関与する企業は140社に上るという。