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2014/11/5

総合 - ドイツ経済ニュース

景気後退入り懸念高まる、9月の小売売上大幅減で

この記事の要約

ドイツ連邦統計局が10月31日発表した2014年9月の小売売上指数(自動車販売店を除く)は物価・営業日数・季節要因調整後の実質で前月を3.2%下回り、7年強ぶりの大幅下落となった。小売売上は7月も同0.9%減となっており […]

ドイツ連邦統計局が10月31日発表した2014年9月の小売売上指数(自動車販売店を除く)は物価・営業日数・季節要因調整後の実質で前月を3.2%下回り、7年強ぶりの大幅下落となった。小売売上は7月も同0.9%減となっており、第3四半期(7~9月)は国内総生産(GDP)統計で大きな比重を占める個人消費が低調だったことがうかがわれる。このため、独GDPは第2四半期(4~6月)に引き続き第3四半期もマイナス成長となり景気後退局面(2四半期以上続くマイナス成長)に入った懸念が高まっている。第3四半期GDP統計(速報値)は11月14日に発表される。

小売売上が9月に大きく落ち込んだ背景には特殊要因も働いているもようだ。ベーレンベルク銀行のアナリストはロイター通信に、◇今年は夏休みを遅めに設定する州が多かった◇気温が高く衣料品などの秋冬物コレクションの販売が振るわなかった――という事情を指摘。ドイツは雇用が安定し実質収入も増えているため個人消費は堅調だとの見方を示した。市場調査大手GfKの消費者景況感指数は高水準が続いている。

9月の小売売上は前年同月比では実質(物価調整値)2.3%増となり、2カ月ぶりに拡大した。比較対象の13年9月に比べ営業日数が1日多かったことが大きい。部門別ではコスメティック・医薬・医療品販売店(5.1%増)、通販(4.4%増)、食品・飲料・たばこ販売店(4.2%増)が好調だった。繊維・衣料品・靴・革製品販売店は7.3%減と大きく落ち込んでいる。

1-9月期の小売売上は物価調整後の実質で前年同期を1.3%上回った。通販とコスメティック・医薬・医療品販売店がそれぞれ7.3%増、4.3%増となり、全体をけん引した格好。繊維・衣料品・靴・革製品販売店も0.7%ながら増加した。家具・家電・DIY用品店は0.8%減少した。