ドイツ連邦統計局が7日発表した2014年9月の輸出高(暫定値)は前年同月比8.5%増の1,025億ユーロとなり、7月に記録した過去最高(1,011億ユーロ)を更新した。9月は小売売上が大きく落ち込んだことから、第3四半期の国内総生産(GDP)は前期に引き続き実質マイナス成長となりドイツは景気後退局面(2四半期以上連続のマイナス成長)に突入するとの懸念が高まっていたが、9月の輸出が予想外に好調だったことから、第3四半期のGDPがわずかならプラス成長になるとの見方が出てきた。
9月の輸入高は8.4%増の806億ユーロで、貿易収支の黒字幅は前年同月の201億ユーロから219億ユーロに拡大。経常黒字も190億ユーロから223億ユーロに増加した。
輸出を仕向け先別でみると、欧州連合(EU)のユーロ非加盟国向けとEU域外向けはそれぞれ13.8%増、10.5%増と2ケタ台の伸びを記録した。ユーロ圏向けは3.4%の伸びにとどまった。
輸入はユーロ圏からが9.0%増加。EUのユーロ非加盟国とEU域外からも8.1%、7.7%増えた。
1~9月の累計では輸出高が前年同期比3.5%増の8,460億ユーロ、輸入高が2.3%増の6,872億ユーロで、貿易黒字は前年同期の1,458億ユーロから1,589億ユーロに拡大。経常黒字も1,299億ユーロから1,483億ユーロへと伸びた。
1~9月の輸出の伸び率が大きかったのはEUのユーロ非加盟国向けで、10.1%を記録した。ユーロ圏とEU域外向けはそれぞれ2.5%、1.2%にとどまった。
輸入もEUのユーロ非加盟国からが7.1%増えて全体をけん引。ユーロ圏からは2.8%増で、EU域外からは1.0%落ち込んだ。