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2014/11/12

企業情報

アリアンツ―配当拡大へ―

この記事の要約

保険大手の独アリアンツ(ミュンヘン)は6日、配当を今後、拡大する方針を明らかにした。機関投資家などの要求を受けた措置で、配当性向(当期純利益のうち配当に回る金額の割合)をこれまでの40%から50%に拡大。また、将来の成長 […]

保険大手の独アリアンツ(ミュンヘン)は6日、配当を今後、拡大する方針を明らかにした。機関投資家などの要求を受けた措置で、配当性向(当期純利益のうち配当に回る金額の割合)をこれまでの40%から50%に拡大。また、将来の成長に向けた内部留保で利用しなかった資金を3年ごとに配当に回す意向だ。

同社の純利益は昨年63億ユーロで、1株当たりの配当は5.3ユーロだった。配当性向を50%に引き上げると、純利益が昨年と同水準にとどまっても配当は6.6ユーロに上昇する。今年は1-9月期の純利益が前年同期比5.5%増の50億200万ユーロに拡大しており、増配となる公算が高い。

アリアンツはこれまで、保険会社に対する新たな規制の枠組みとなる欧州連合(EU)指令「ソルベンシーII」で大幅な資本積立が義務づけられることを恐れて、内部留保を積み増してきた。ソルベンシーIIに基づく規制の骨格が固まったことを受けて、同社は内部留保を取り崩せると判断したもようだ。

アリアンツが同日発表した2014年第3四半期(7~9月)の営業利益は26億5,000万ユーロで、前年同期を5.2%上回った。資産管理部門が米子会社ピムコの不振で8.1%減の6億9,400万ユーロに落ち込んだものの、主力の損害保険部門が15.2%増の14億2,200万ユーロと好調で、全体が押し上げられた格好。生命・医療保険部門も増益(2.8%増の7億9,000万ユーロ)を確保した。売上高は14.5%増の288億ユーロ、最終利益は11.2%増の16億600万ユーロだった。