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2014/11/19

経済産業情報

SAPとオラクルが和解、不正ダウンロード事件で

この記事の要約

ソフト大手の独SAPが米子会社を通して競合オラクルのコンピューターからソフトウエアを不正にダウンロードしていた事件で、和解が成立した。裁判所が公開した文書で明らかになったもので、SAPは同社の不正行為によりオラクルが受け […]

ソフト大手の独SAPが米子会社を通して競合オラクルのコンピューターからソフトウエアを不正にダウンロードしていた事件で、和解が成立した。裁判所が公開した文書で明らかになったもので、SAPは同社の不正行為によりオラクルが受けた損害3億5,670万ドルに金利(約250万ドル)を加えた額(約3億5,900万ドル)を支払う。

オラクルのソフトを不正にダウンロードしていたのはSAPが2005年に買収したソフトメインテナンス会社トゥモローナウ。トゥモローナウはオラクルが同年に買収したピープルソフトのメンテナンスを専門に手がけてきた経緯があり、SAPはトゥモローナウを買収することで、オラクルによるピープルソフト買収でサービスの先行きに不安を持つピープルソフト顧客の取り込みを図った。

トゥモローナウはオラクルから奪った顧客企業に対するメンテナンス業務を進めるなかで不正ダウンロードを行っていた。SAPはオラクルから提訴された07年春の時点で容疑を否認していたものの、後に責任を認めた。

賠償金額をめぐってはカリフォルニア州オークランド連邦地方裁判所の陪審団が2010年、SAPに13億ドルの支払いを命じる評決を下したものの、翌11年の判決では2億7,200万ドルへと大幅に引き下げられた。この判決を不服としてオラクルが起こした控訴審で裁判官は同社が受けた損害の規模を3億5,670万ドルと計算しており、両社今回、これに基づいて和解した。