左派政党の左翼党と中道左派の社会民主党(SPD)および緑の党の3党は19日、独東部テューリンゲン州で政権協定を取り決めた。首相には3党のなかで議席数が最も多い左翼党のボド・ラメロウ院内総務(州議会)が就任。ドイツで初めて左翼党の州首相が誕生することになる。
同州では9月に州議会選挙が行われた。各党の議席数は中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)が34、左翼党が28、SPDが12、ドイツのための選択肢(AfD)が11、緑の党が6。合計は91で、過半数ラインは46となっている。
新政権の可能性としては◇CDUとSPDによる連立(議席数46)を継続する◇左翼党、SPD、緑の党の3党連立(同46)を樹立する――2つがあったが、SPDが3党連立を選んだため、CDUは同州で野党に転落することになった。
左翼党は旧東ドイツの独裁政党、社会主義統一党(SED)の後継政党。このため、同党が州首相を輩出することに対しては批判があり、ガウク大統領は今月初旬のテレビインタビューで、左翼党は東独の共産主義独裁の過去を十分に反省していないのではないかと疑問を投げかけた。
こうした懸念を踏まえて左翼党とSPD、緑の党の3党は今回の政権合意の前文に、東ドイツが不当な非法治国家(Unrechtsstaat)であったことを明記した。ただ、左翼党内では旧東独を批判することへの不満がくすぶっている。