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2015/1/7

総合 - ドイツ経済ニュース

12月インフレ率0.2%、09年10月以来の低水準に

この記事の要約

ドイツ連邦統計局が5日発表した2014年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上げ幅が0.2%(速報値)なり、前月の同0.6%から大きく縮小した。インフレ率は09年10月(0.0%)以来の低水準。石油価格の急落が […]

ドイツ連邦統計局が5日発表した2014年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上げ幅が0.2%(速報値)なり、前月の同0.6%から大きく縮小した。インフレ率は09年10月(0.0%)以来の低水準。石油価格の急落が最大の押し下げ要因となった。ユーロ圏最大の経済規模を持つドイツでインフレ率が極めて低い水準に落ち込んだこと受けて、欧州中央銀行(ECB)が量的金融緩和に踏み切る公算が高まってきた。

ドイツのエネルギー価格は12月に前年同月比マイナス6.6%となり、下げ幅は前月(同2.5%)の2.6倍に拡大した。このほか食料品も1.2%減となり、前月のプラスマイナス0.0%から大きく低下。物品全体でも1.2%減となった。サービスは1.4%増で、前月と同じ上げ幅を保った。

CPIは前月比では変動がなかった。

欧州連合(EU)基準のCPIは前年同月比が0.8%増、前月比が0.1%増だった。

ECBのドラギ総裁は12月の定例政策理事会後の記者会見で、ユーロ圏の銀行が保有する国債などを買い入れる量的金融緩和の可否を15年初頭に判断し、必要に応じて実施する意向を表明した。ドイツが難色を示しているものの、総裁は「理事会での全会一致は不要だ」と明言。必要と判断すればドイツの反対を押し切ってでも量的緩和に踏み切る考えを示した。

14年全体の独インフレ率は0.9%(見通し)で、リーマンショックに伴う金融経済危機がピークに達した09年(0.3%)以来の低水準となった。