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2015/2/18

総合 - ドイツ経済ニュース

移動通信の周波数入札へ、地方へのブロバン普及が狙い

この記事の要約

ドイツ政府は11日の閣議で周波数政令の改正案を承認した。ブロードバンド通信を国の隅々まで普及させることが狙いで、700メガヘルツ(MHz)の割り当て対象をこれまでの地上デジタル放送(DVB-T)から移動通信へと段階的に変 […]

ドイツ政府は11日の閣議で周波数政令の改正案を承認した。ブロードバンド通信を国の隅々まで普及させることが狙いで、700メガヘルツ(MHz)の割り当て対象をこれまでの地上デジタル放送(DVB-T)から移動通信へと段階的に変更。地方の通信環境を改善するとともに、産業のデジタル化や自動運転を推進するための基盤を構築する考えだ。同政令案は州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)の承認を経て施行される。

上半期中に同周波数の割り当てに向けて入札を実施する。入札には移動通信大手のドイツテレコムやボーダフォン、テレフォニカが参加する見通し。入札益は国(連邦)と州が分け合い、連邦は民間投資では採算が合わない人口希薄地域のブロバン通信網、州は無線LAN通信網の拡充にそれぞれ充てる。

落札企業は3年以内に全世帯の98%以上がブロードバンド通信を利用できるようにすることを義務づけられる。また、高速道路と高速鉄道(ICE)路線で移動通信が100%確実に送受信できるようにしなければならない。

700MHzの周波数は移動通信に適している。これまではもっぱらDVB-Tに割り当てられてきたが、今後は第2世代の地デジであるDVB-T2に移行するため、同周波数に空きが発生。政府はこれを踏まえ移動通信への割り当てを決めた。

政府は2018年までに、通信速度を最低でも50メガビット/秒(Mbps)以上に引き上げることを政策目標に掲げている。