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2015/2/18

経済産業情報

独工作機械業界、生産高が4年ぶりに減少

この記事の要約

独工作機械工業会(VDW)が11日発表した同国の業界生産高(部品・付属品と設置・修理・保守を含む)は前年比1%減の143億7,000万ユーロ(暫定値)となり、4年ぶりに低下した。成形機が12%減の28億1,000万ユーロ […]

独工作機械工業会(VDW)が11日発表した同国の業界生産高(部品・付属品と設置・修理・保守を含む)は前年比1%減の143億7,000万ユーロ(暫定値)となり、4年ぶりに低下した。成形機が12%減の28億1,000万ユーロと大きく後退して足を強く引っ張った格好。切断機も横ばいの79億1,000万ユーロにとどまった。部品・付属品と設置・修理・保守はそれぞれ6%増と好調だった。

輸出高(設置・修理・保守を除く)は89億ユーロ(暫定値)で、3%落ち込んだ。減少は2年連続。1~11月のデータをみると、全体の約36%を占めるアジア向けが5%、同11%を占める北米向けも7%減少した。欧州連合(EU)向けは2%増の28億3,920万ユーロに拡大した。

1~11月の輸出高を国別でみると、最大の仕向け先は中国で20億7,240万ユーロに上った。前年同期を1%下回ったものの、全体の26%を占めている。2位の米国向けも8%減の7億9,520万ユーロに縮小した。3位のロシア向けはEUの制裁と同国経済の急速な悪化にもかかわらず横ばいの4億4,050万ユーロを保った。

ドイツの14年の工作機械輸入高(設置・修理・保守を除く)は前年比4%増の30億6,000万ユーロ(暫定値)だった。1~11月の輸入高を国別でみると、最大の輸入先はスイスで前年同期比11%増の8億4,190万ユーロに拡大。シェアは30%に上った。2位は日本で、額は10%増の3億520万ユーロ、シェアは11%だった。韓国は42%増の1億3,130万ユーロに急拡大し、シェア4.7%で5位に付けた。中国はシェア4.5%で6位。

ドイツの輸出高は部品・付属品と設置・修理・保守を除いたベースでは5%減の74億6,000万ユーロ(暫定値)に後退したものの、世界1位を堅持した。2位は日本で、7%増の72億1,000万ユーロ(同)に拡大。円安が追い風となっており、円ベースの輸出成長率は16%に達した。

生産高(部品・付属品と設置・修理・保守を除く。暫定値)では中国が1位で、127億3,000万ユーロ(前年比4%減)に上った。2位は日本で、21%増の110億1,800万に急拡大。ドイツは4%減の107億5,000万ユーロで3位だった。

VDWによると、ドイツの今年の工作機械生産高(部品・付属品と設置・修理・保守を含む)は前年比3%増149億ユーロに拡大する見通しだ。石油・ユーロ安を受けて投資財需要が拡大。米国の製造業ルネサンスも追い風になるとみている。