独不動産金融大手のアアレアル・バンク(ヴィースバーデン)は22日、旧ヴェストLB(ノルトライン・ヴェストファーレン州立銀行)の子会社で現在はヴェストLBの資産受け皿機関、EAA(エルステ・アップヴィックルングスアンシュタルト)の管理下にある不動産金融会社ヴェストドイチェ・イモビリエンバンク(ヴェストイモ)を完全買収すると発表した。買収により業務用不動産融資で独最大手となる。取引金額は暫定3億5,000万ユーロで、クロージング時点で最終決定する。当局の承認を経て買収手続きが上半期中に終了すると見込んでいる。
ヴェストLBはリーマンショックに端を発する金融危機で保有する証券化商品の不良化が進み、経営危機に陥った。このため出資者である州と地元の貯蓄銀行、市町村は支援計画を策定。欧州連合(EU)の欧州委員会は支援を認める条件として、事業の整理を命じた。
ヴェストイモは2012年以降、ヴェストLBの売れ残った事業の受け皿機関であるEAAが管理してきた。新規事業を欧州委に禁じられているものの、高金利の時期に締結した融資契約の残高が43億ユーロに達しており、アアレアルは重要な収益源を確保することになる。
ヴェストイモはマインツに事業拠点があり、従業員数は約280人。アアレアルは同社を吸収合併する。