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2015/3/11

経済産業情報

ドラッグストア大手dmが無料レジ袋削減へ

この記事の要約

独ドラッグストア大手のdmが無料レジ袋の配布を削減する。欧州連合(EU)の規制方針を受けた措置で、広報担当者は「持続可能性はdmにとって極めて重要な関心事だ」との立場を示した。日刊紙『ヴェルト』が報じた。 dmの店舗では […]

独ドラッグストア大手のdmが無料レジ袋の配布を削減する。欧州連合(EU)の規制方針を受けた措置で、広報担当者は「持続可能性はdmにとって極めて重要な関心事だ」との立場を示した。日刊紙『ヴェルト』が報じた。

dmの店舗では小さな無料ビニール袋がレジに置かれている。今後は店長の判断により、レジ袋を置かないことが可能になる。ドイツ国内にある計1,600店のうちどの程度が置かなくなるかは不明。

EUの推定では、域内の1人当たりの年間レジ袋使用量が2010年時点で198枚に上った。うち9割が再利用の難しい薄型で、多くが廃棄されている。プラスチック製レジ袋は自然分解されにくく、廃棄されると海洋生物が誤食したり、残留性有機汚染物質による土壌・水質汚染を引き起こす。欧州委員会の調査では、北海の全鳥類の94%の胃にレジ袋のプラスチックが含まれていることが分かっている。

EUはこうした事態を深刻に受け止めており、レジ袋の年間使用量を2019年までに90枚、2025年までには40枚へと減らす方針だ。

ドイツのドラッグストア大手ではミューラーがレジ袋を1月から有料化した。袋の大きさにより1枚当たり5セントないし15セントで販売している。一方ロスマンは、ドイツの顧客は環境意識が高くレジ袋の利用が少ないとして、これまで通り無料レジ袋を提供する考え。

食品スーパーではレジ袋が以前から有料となっている。ただ、量り売りの野菜や果物、食肉向けには薄型のプラスチック袋を無料で提供。業界大手のレーベは衛生上の観点などから必要な措置だと説明している。

小売業界団体HDEはdmの取り組みを高く評価しており、ドラッグストアで無料レジ袋が全廃されることもあり得るとの見方を示した。ただ、衣料品店などでは無料の手提げ袋がないと購入したスーツなどを顧客が持ち運ぶのに不都合だと指摘。小売店での無料袋提供を全廃することはできないとの立場を示した。