ドイツの銀行業界が電子決算サービスを共同で立ち上げる見通しだ。これまでは貯蓄銀行グループが参加を見合わせていたが、現在参加の方向で最終調整を進めており、年末にサービスを開始する。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙などが報じた。
消費者がインターネットで商品やサービスを購入した場合、決済は振込など従来型の方法のほか、電子決済が利用される。特に米イーベイの子会社ペイパルはドイツで1,200万人の顧客を持ち、同決済でダントツ1位となっている。
銀行業界は同市場に参入することで新たな収益源を確保したい考えで、民間銀行の業界団体である独民間銀行協会(BdB)と信用協同組合系の団体はそうしたプラットフォームを立ち上げることで合意。昨年夏にはその実現に向けて折半出資の合弁会社「インターネット・モバイル決済会社(GIMP)」を設立した。
貯蓄銀グループはこれまで参加しない姿勢を示してきたが、2月に方針を転換。現在はGIMPへの出資額の分担をグループ内で調整しているところだ。貯蓄銀グループが参加すると、ドイツの銀行業界は一体となって電子決済サービスを提供できるようになる。
同サービスはまず、今年末のクリスマス商戦期にテスト導入し、来年に本格導入する予定だ。成功するかどうかはペイパルなどの先行するサービスよりも使い勝手などが良い、と消費者および小売事業者に評価されるかにかかっている。