ドイツ連邦統計局が4月29日発表した2015年4月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比0.4%増となり、3カ月連続で1年前の水準を上回った。エネルギーは5.9%減となりこれまで同様、足を強く引っ張ったものの、気温が低かった影響で青果の価格が大きく上昇。全体が押し上げられた。物価は前月比では0.1%低下した。
青果高騰を受けて食料品は前年同月を1.1%上回り、5カ月ぶりに上昇へと転じた。サービスは1.1%増だった。
コメルツ銀行のエコノミストはロイター通信に、エネルギー価格が今年半ば以降、大幅な上昇に転じるほか、1月に導入された法定最低賃金の価格転嫁に踏み切る企業が増えてくるとの見通しを指摘。ドイツのインフレ率は今後さらに高まるとの見方を示した。
欧州連合(EU)基準の消費者物価指数は前年同月比が0.3%増、前月比が0.1%減だった。
一方、EU統計局ユーロスタットが30日に発表したユーロ圏の4月のインフレ率(年率、速報値)は0.0%となり、5カ月ぶりにマイナスの領域を脱した。エネルギーの下げ幅が前月の6.0%から5.8%に縮小したほか、食料品・アルコール飲料・たばこの上げ幅が同0.6%から0.9%に拡大したことが大きい。生鮮食品では上昇率が1.3%に上った。インフレ率はエネルギーを除くと0.7%で、前月(0.6%)をやや上回った。