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2015/6/3

経済産業情報

メルケル首相が耐性菌の‘学習’、サミットの準備で

この記事の要約

ドイツのメルケル首相は5月28日、フランクフルトのヘキスト工業団地を訪問した。製薬大手サノフィの新生産施設の開所式に立ち会うとともに、抗生物質が効かない耐性菌の専門家から情報を収集。6月上旬に主催する第41回主要国首脳会 […]

ドイツのメルケル首相は5月28日、フランクフルトのヘキスト工業団地を訪問した。製薬大手サノフィの新生産施設の開所式に立ち会うとともに、抗生物質が効かない耐性菌の専門家から情報を収集。6月上旬に主催する第41回主要国首脳会議(サミット)の準備を行った。

サミットは7~8日、独南部のエルマウ城で行われる。メルケル首相は耐性菌対策を重要な議題と位置づけていることから今回、専門家の意見を聞いた。ヘキスト工業団地ではサノフィとフラウンホーファー研究所が昨年から、特に深刻な耐性菌であるグラム陰性菌に効く新タイプの抗生物質を共同開発していることから、同首相は白羽の矢を立てた。

耐性菌に感染して死亡する人の増加を深刻視する首相は他のサミット参加国に働きかけ、世界レベルで対策を強化する考えだ。

サノフィはヘキスト工業団地で同日、最新のインスリンを製造する生産施設の操業を開始した。同社はヘキスト拠点を重視しており、過去10年間に10億ユーロ以上を投資。昨年末には2億ユーロを上乗せする方針を打ち出し、今回さらに1億ユーロを追加すると発表した。