欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2015/6/10

企業情報

KaDeWeグループ―伊リナシェンテとの合弁に―

この記事の要約

オーストリアの投資家レネ・ベンコ氏の投資会社シグナ・ホールディングは9日、傘下企業シグナ・リテールを通して完全保有する独高級デパートKaDeWeグループ(ベルリン)を伊デパート大手リナシェンテとの合弁に切り替えると発表し […]

オーストリアの投資家レネ・ベンコ氏の投資会社シグナ・ホールディングは9日、傘下企業シグナ・リテールを通して完全保有する独高級デパートKaDeWeグループ(ベルリン)を伊デパート大手リナシェンテとの合弁に切り替えると発表した。ベンコ氏はKaDeWeグループの国際化を目指しており、事業資金を確保するために今回の提携に踏み切った。

KaDeWeグループの資本50.1%をリナシャンテに譲渡し、出資比率を49.9%に引き下げる。同グループに対しては長期的に出資を継続する考えで、経営戦略上の決定については出資2社の合意の上で行うことを取り決めた。

ベンコ氏は2013年、独デパート大手カールシュタットの高級デパート部門カールシュタット・プレミアムを買収し、KaDeWeグループへと名前を改めた。同グループはベルリンのKaDeWe、ハンブルクのアルスターハウス、ミュンヘンのオーバーポリンガーという3つのデパートからなる。従業員数は計1,900人で、売上高は6億ユーロ。

シグナとリナシェンテは同グループのデパートをオーストリアの首都ウィーンとチェコの首都プラハに開設することを計画。また、買収を通してドイツとスイスで事業を強化することも検討している。

リナシェンテは1865年の創業で、現在はタイ企業セントラル・グループの傘下に入っている。イタリアで11店舗を展開。2013年にはデンマークの同業イルムを買収した。従業員数は1,600人。売上高は6億ユーロで、KaDeWeグループと同水準にある。

シグナは昨年、カールシュタットを買収した。競合カウフホーフの買収も目指しており、メディア報道によるとすでに買収提案を行っている。

企業情報
経済産業情報
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |