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2015/8/19

企業情報

アイーダ・クルージズ―クルーズ計画を変更、客船の納期遅れで―

この記事の要約

独クルージング大手のアイーダ・クルージズ(ロストック)は4日、三菱重工に発注していた客船「アイーダ・プリマ」で予定していたアジア航海を11月から来年3月まで既存客船「アイーダ・ステラ」で行うと発表した。アイーダ・プリマの […]

独クルージング大手のアイーダ・クルージズ(ロストック)は4日、三菱重工に発注していた客船「アイーダ・プリマ」で予定していたアジア航海を11月から来年3月まで既存客船「アイーダ・ステラ」で行うと発表した。アイーダ・プリマの納期が遅れるため、変更を余儀なくされた格好。同客船の納期延長は2度目で、三菱重工の痛手はこれまで以上に膨らみそうだ。

アイーダ・プリマは横浜~ドバイ間の処女航海を今秋から行い、さらにドバイからハンブルクに向かうことになっていた。だが、三菱重工から納期遅れの連絡が入ったため、アイーダ・クルージズは地中海西部への投入を予定していたアイーダ・ステラに切り替える。客船変更を受け入れない顧客には代替クルーズを提供するかキャンセルを受け付ける。

三菱重工は2011年、アイーダ・クルージズからアイーダ・プリマとアイーダ・ミアを受注した。応札価格を低く抑えることで、競合の独マイヤー造船所に競り勝った格好だ。

三菱重工は商船分野で低コストを武器とする韓国勢などの追い上げを受けてクルーズ客船事業に本格参入。アイーダ・クルージズから受注を獲得した。だが、客船は仕様が汎用化されている商船と異なり、部品点数が多くサプライヤーを束ねるのが難しい。また、アイーダから受注した船舶は一から設計した関係で作業が難航したほか、大幅な仕様変更もあったため、1番船(アイーダ・プリマ)の納入は当初予定の15年3月から同10月に延期。今回さらなる引き伸ばしが決まった。

三菱重工はアイーダ建造にからんですでに巨額の特別損失を計上している。