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2015/8/26

経済産業情報

貿易保険ルールの改正を経済界が要求

この記事の要約

独産業連盟(BDI)と独卸売・貿易業者連盟(BGA)、ドイツ機械工業連盟(VDMA)は20日、ドイツの貿易保険ルール改正を求める提言書を公開した。現行ルールはグローバル経済競争が進展した現状に適していないと批判している。 […]

独産業連盟(BDI)と独卸売・貿易業者連盟(BGA)、ドイツ機械工業連盟(VDMA)は20日、ドイツの貿易保険ルール改正を求める提言書を公開した。現行ルールはグローバル経済競争が進展した現状に適していないと批判している。

政府は民間企業ユーラーヘルメスを通して貿易保険(ヘルメス貿易保険)を提供している。現行ルールではドイツから輸出する製品の価値の半分以上を国内で創出していることが適用の前提となっている。

だが、ドイツ企業は近年、激しい国際競争に勝ち抜くために国外サプライヤーからの調達を拡大しており、製品価値の50%以上を国内で創出することが難しくなっている。提言書はこれを踏まえ、製品価値に占める国外サプライヤーの比率が75%までであれば、ヘルメス貿易保険を適用するよう要求した。

最近は大型プロジェクトに自国企業の関与を義務づける国が増えていることもあり、ヘルメス貿易保険の国外サプライヤー比率引き上げは必要不可欠だとしている。ジグマール・ガブリエル経済相は先ごろ、同ルールの見直しを検討すると述べており、同貿易保険適用のハードルは引き下げられる可能性が高い。

ヘルメス貿易保険は1949年にスタートした。民間の信用保険では引き受けられないリスクの高い取引が対象となっている。昨年の引受総額は248億ユーロに上った。