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2015/10/7

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DMG Mori―ロシアに工場開設―

この記事の要約

DMG森精機の独子会社DMG Mori(ビーレフェルト)は9月30日、同社初のロシア工場をモスクワの東およそ900キロのウリヤノフスクに開設した。ロシアは欧米の経済制裁や現地通貨ルーブルの下落を受けて経済が悪化しているも […]

DMG森精機の独子会社DMG Mori(ビーレフェルト)は9月30日、同社初のロシア工場をモスクワの東およそ900キロのウリヤノフスクに開設した。ロシアは欧米の経済制裁や現地通貨ルーブルの下落を受けて経済が悪化しているものの、DMG Moriは工作機械の需要が十分にあると判断。現地生産に踏み切った。ロシアで工作機械を生産する外資は同社が初めてという。

総額7,000万ユーロを投資して同社で最も近代的な工場を建設した。まずは「エコライン」シリーズの旋盤とフライス盤を年1,200台生産。フル稼働時には2,500~3,000台を生産できる。2016年ないし17年からは現地調達率で50%を達成し、政府の規制条件をクリアする考えだ。

ウリヤノフスクは航空機、自動車産業が盛んで、工作機械の需要が大きい。人材も豊富で、同社は現地の大学と提携し学生の職業研修を手がけ、技術者を確保していく考えだ。

カピッツァ社長が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにしたところによると、ロシアには同社の潜在顧客が8,500社ある(国営企業がそのうち70%で、民間企業は30%)。同国の工作機械市場規模は数年前の15億ユーロから昨年は11億ユーロへと縮小したものの、需要はなおも大きいという。

本社所在地の独ビーレフェルトからウリヤノフスクに工作機械を輸送するとコストが膨らみ、輸送費は販売価格の20~30%を占める。ドイツ連邦経済・輸出監督庁(BAFA)の認可も必要で、手間ひまがかかる。ロシアで現地生産すればこうした労力とコストの削減につながる。

同社がロシアから製品を輸出する場合はBAFAの認可を得なければならないが、ウリヤノフスク工場で生産する機械はすべてロシア国内で販売するため、その必要は生じない。

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