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2015/10/7

経済産業情報

サイバー保険市場に夜明け

この記事の要約

サイバー攻撃に伴うリスクを包括的にカバーする「サイバー保険」の需要は今後ドイツで大幅に高まる見通しだ。保険仲介事業者マーシュの独法人がこのほど発表した企業アンケート調査結果によると、「今後1年以内にサイバー保険を購入した […]

サイバー攻撃に伴うリスクを包括的にカバーする「サイバー保険」の需要は今後ドイツで大幅に高まる見通しだ。保険仲介事業者マーシュの独法人がこのほど発表した企業アンケート調査結果によると、「今後1年以内にサイバー保険を購入したい」との回答は全体の29%に達した。同法人のゲオルク・ブロイヒレ社長は「我々の印象では、今まさに波が起ころうとしているところだ」との見方を示した。調査はドイツ企業350社を対象に実施した(対象の半数は従業員数250人未満の小規模な企業が占める)。

ドイツのサイバー保険市場(保険料ベース)は1,000万ユーロで、米国の20億ドルを大幅に下回る。だが、マーシュが9月末までに仲介した同保険の件数は46件で、昨年通期の20件を大きく上回った。独市場は今後、年30%以上のスピードで拡大し、5年後には2億ユーロ規模に達する見通しという。エネルギー供給、水道、電気通信、病院、銀行、保険会社など重要インフラ分野の企業にITセキュリティの最低基準順守を義務づけるITセキュリティ法が7月下旬に施行されたことは追い風になるとしている。