欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2015/10/21

企業情報

ウィンコール・ニックスドルフ―ディボールドと合併へ―

この記事の要約

ATM、POSシステム大手の独ウィンコール・ニックスドルフと米同業ディボールドは17日、合併計画を発表した。同業界では主要顧客である銀行と流通事業者の投資抑制を受けてハードウエアの販売が低迷していることから、両社は合併を […]

ATM、POSシステム大手の独ウィンコール・ニックスドルフと米同業ディボールドは17日、合併計画を発表した。同業界では主要顧客である銀行と流通事業者の投資抑制を受けてハードウエアの販売が低迷していることから、両社は合併を通して苦境を脱する考えだ。合併が実現すると世界最大手メーカーが誕生することになる。

両社は合併について9月に大枠合意しており、現在は資産の適正評価(デューデリジェンス)を進めている。合併はディボールドがウィンコール・ニックスドルフを買収する形で実施する予定で、ディボールドはウィンコール・ニックスドルフを現金と自社株の組み合わせで1株当たり52.50ユーロで買収する。これは16日の終値を35%上回る水準で、ウィンコール・ニックスドルフを約17億4,000万ユーロと評価した格好。現金と株式の比率は明らかにされていないものの、ロイター通信によると現金が大部分を占める見通しだ。

ウィンコール・ニックスドルフはソフト分野、ディボールドはサービス分野に強く、両社は事業の補完性が高い。またディボールドは合併計画が実現すると、これまで手薄だった欧州市場に確固たる事業基盤を確保できる。

世界のATM、POSシステム製造業界では米NCRが市場シェア27.9%(2013年末)でトップ。ディボールドは17.7%で2位、ウィンコール・ニックスドルフは17.1%で3位に付けている。

ウィンコール・ニックスドルフとディボールドが合併交渉を進めているとの観測は6月に報じられたが、ウィンコール・ニックスドルフは当時、「合併・買収交渉を行っていない」と明確に否定していた。