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2015/11/18

企業情報

マイクロソフト―ドイツテレコムと提携、クラウドで―

この記事の要約

IT大手の米マイクロソフトは11日、クラウドサービス事業でドイツテレコムと提携すると発表した。マイクロソフトはクラウド分野で高い競争力を持つものの、米IT企業のクラウドサービスにセキュリティ上の懸念を持つドイツ企業が多い […]

IT大手の米マイクロソフトは11日、クラウドサービス事業でドイツテレコムと提携すると発表した。マイクロソフトはクラウド分野で高い競争力を持つものの、米IT企業のクラウドサービスにセキュリティ上の懸念を持つドイツ企業が多いことから、ドイツテレコムと手を組むことでそうした疑念を解消。機密保持を重視する顧客を開拓していく考えだ。

米IT大手は不特定多数の利用者を対象とするパブリッククラウドで強い競争力を持つ。ただ、米国家安全保障局(NSA)の大規模なスパイ活動が暴露されたことを受けて、米国のクラウドに情報を保存することに対し懸念を持つ企業が増加。欧州企業を顧客として獲得するためには米国の法律が及ばない欧州にデータセンターを構えることが必要不可欠となっている。

マイクロソフトはこうした事情を踏まえてドイツテレコムと提携。フランクフルトとマグデブルクの電算センターを使ってクラウドサービスを提供していく。データはもっぱらドイツ国内で保管する。また、ドイツテレコムのITサービス子会社Tシステムズが顧客データの信託管理者となるため、マイクロソフトはTシステムズないし顧客の同意なしにこれらのデータにアクセスできない仕組みとなっている。

マイクロソフトは2016年下半期をめどに同サービスを開始する。当面は顧客を企業や官庁に限定。特にデータの機密保持に敏感な金融、ヘルスケア分野の企業や官庁を顧客獲得のターゲットに据える。