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2015/12/9

企業情報

デュル―ソフト企業買収でI4.0分野を強化―

この記事の要約

塗装装置など生産設備を手がける独デュル(ビーティヒハイム・ビッシンゲン)は4日、ソフトウエア製造開発の独iTACソフトウエアを複数の投資会社から完全買収したと発表した。インダストリー4.0(I4.0)の分野でノウハウを強 […]

塗装装置など生産設備を手がける独デュル(ビーティヒハイム・ビッシンゲン)は4日、ソフトウエア製造開発の独iTACソフトウエアを複数の投資会社から完全買収したと発表した。インダストリー4.0(I4.0)の分野でノウハウを強化する狙いで、ラルフ・ディーター社長は、生産設備を購入する際にデジタル化とネットワーク化に対応しているかどうかを重視する顧客企業が増えていると述べた。買収金額は非公開。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、3,000万~4,000万ユーロという。

iTACはボッシュの通信部門からのスピンオフとして1998年に設立されたMES(製造工程の状態把握や管理、作業者への指示・支援などを行う情報システム)の有力企業で、同社が手がけたクラウドベースのMESソフト「iTAC.MES.Suite」は世界の140以上の工場に導入されている。従業員数は約90人。今年は売上高で約1,500万ユーロを見込む。

デュルは同社の買収により、I4.0事業を強化するとともに、これまで独自に手がけてきた自動車工場向けのMESソフト「EcoEMOS」をiTACとの共同開発に切り替える。EcoEMOSはすでにポーランドのブジェシニャにあるフォルクスワーゲン(VW)の工場などで使われている。

iTACはデュルの財務力と世界的な事業網を活用して業績を拡大していく考えだ。