独高級乗用車3社の2018年販売統計が11日、出そろった。世界最大の中国市場の縮小や欧州連合(EU)の排ガステスト方式変更など厳しい状況のなかで、ダイムラーとBMWの2社はこれまでに引き続き過去最高を更新。ダイムラーの乗用車ブランド「メルセデスベンツ」は3年連続で世界高級車市場1位となった。フォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社アウディは3社のなかで唯一、前年割れとなった。
メルセデスベンツの販売台数は前年比0.9%増の231万185台となり、8年連続で過去最高を記録した。中国販売は58万7,868台で、前年を11.1%上回った。メルセデスベンツに超小型車ブランド「スマート」を加えた「メルセデスベンツ・カーズ」の乗用車販売台数は0.6%増の243万8,987台。スマートは4.6%減の12万8,802台だった。
「BMW」ブランドの販売台数は212万5,026台で、増加幅は1.8%だった。BMWに「ミニ」と「ロールスロイス」ブランドを加えたBMWグループ全体の乗用車販売台数は1.1%増の249万664台で、メルセデスベンツ・カーズをわずかに上回っている。ミニは2.8%減の36万1,531台、ロールスロイスは22.2%増の4,107台だった。グループが販売した電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)は38.4%増の14万2,617台と大幅に伸びた。
BMWとミニの合計販売台数を地域別でみると、中国は7.7%増、南米は8.1%増と好調だった。足元の欧州は0.3%減だった。
アウディの販売台数は3.5%減の181万2,500台で、これまでに引き続き高級車3位にとどまった。EUの排ガス検査方式変更への対応が遅れ欧州販売が13.6%減少したことが響いた。
中国販売は3社とも好調で、同国市場が縮小するなかで健闘。メルセデスベンツとアウディは2ケタ台の伸びを記録した。アウディは同国市場では3社のなかで販売台数が最も多く、30年連続で中国高級車市場1位を獲得している。
ただ、中国依存度はこれまで以上に高まっており、18年販売に占める同国の割合は前年の31.8%から36.6%へと高まった。メルセデスベンツとBMWでもそれぞれ25.6%から28.3%、24.1%から25.7%へと上昇している。(下の表を参照)