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2019/5/8

経済産業情報

家電の著作権料で合意、HDDテレビで12ユーロ

この記事の要約

独電気電子工業会(ZVEI)と独情報通信業界連盟(Bitkom)は2日、複製機能を持つ家電に課金される著作権料をめぐる交渉で著作権管理団体と合意したと発表した。これにより10年以上に渡る交渉が終了。家電メーカーと輸入事業 […]

独電気電子工業会(ZVEI)と独情報通信業界連盟(Bitkom)は2日、複製機能を持つ家電に課金される著作権料をめぐる交渉で著作権管理団体と合意したと発表した。これにより10年以上に渡る交渉が終了。家電メーカーと輸入事業者は事業計画を立てやすくなった。

ドイツではデジタル時代に対応して2008年に著作権法が改正され、「複製目的で利用されるすべての機器・記録媒体」が著作権料の課金対象と定められた。具体的な額は個々の機器ごとにメーカー系の業界団体と著作権団体が交渉して決めることになっており、BitkomとZVEIは著作権管理団体のZPUE、VGヴォルト、VGビルトクンストと協議。計15分野の機器で合意に達した。

著作権料はハードディスクドライブ(HDD)を内蔵したテレビとDVDレコーダー、セットトップボックスで1台当たり12ユーロ、HDDを搭載しないテレビなどで同1.25ユーロとなっている。著作権料は08年1月1日にさかのぼって適用される。BitkomとZVEIの会員企業で今回の取り決めに同意する企業は20%の割引を受けることができる。

著作権管理団体は当初、HDD内臓DVDレコーダーの著作権料として最大49ユーロ、HDD内臓のテレビとセットトップボックスで同34ユーロ、HDD非搭載のテレビとセットトップボックスで13ユーロの支払いを要求していた。交渉の結果、これを大幅に下回る額で合意が成立しており、ZVEIのクラウス・ミッテルバッハ会長は「大きな成功だ」と強調した。

ただ、複製機能を持つ家電に著作権料を一律、課金することについてはZVEIもBitkomも時代遅れのルールだと批判している。音楽や動画をストリーミングで視聴することが主流となっている現在、カセットテープやCDにコンテンツをコピーする人はほとんどいないためだ。Bitkomのベルンハルト・ローレーダー専務理事は与党が政権協定で著作権料の課金制度改正方針を取り決めたことを指摘。著作権料の課金を時代に見合った方式へと改めることを政府に強く要請した。

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