自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は9日、自動運転システム(SDS)の開発子会社フォルクスワーゲン・オートノミー(VWAT)が米シリコンバレーに研究開発(R&D)拠点を開設すると発表した。VWはSDSを2020年代半ばまでに市場投入する計画。その実現に向けてIT人材の豊富なシリコンバレーに拠点を構える。
サンフランシスコ郊外のベルモントにある米フォルクスワーゲングループ・イノベーション・アンド・エンジニアリングセンター内に新拠点を設置する。システム技術とシステムアーキテクチャー分野の技術者を年内に50~100人採用する予定だ。
VWATはVWグループが持つ自動運転分野の経営資源を統合して開発を加速する目的で昨年、設立された。米自動車技術会(SAE)が定める「レベル4」の自動運転車(運転をシステムに全面的に任せることが可能)を20年代半ばに実現することを目指している。開発したSDSはまず、VWブランド商用車の業務用車両に搭載。ロボットタクシーや配達車として20年代半ばに市場投入する。その後はグループの全ブランドに広げていく。
VWATのR&D拠点は現在、独ヴォルフスブルクとミュンヘンにある。今後はシリコンバレーのほか、中国にも設置する。