ウクライナの国営ガス輸送会社ウクルトランスガスは1日、ロシアからの天然ガス輸入を停止したと発表した。同国とロシアの間で行われていた天然ガス価格の改定交渉が6月30日に決裂したことを受けたもので、国営ガス会社ナフトガスは新規契約の条件で合意するまでロシアからの輸入を再開しない意向を表明。一方、ロシア国営ガスプロムは料金が前払いで支払われるまで供給を停止するとしている。
今年7~9月期の価格を決める今回の交渉では、ロシアが1,000立方メートル当たり247ドルを提示したのに対し、ウクライナはさらに有利な価格を求めていた。また、ガスプロムは需要量に関わらず一定量の購入を求める「テイク・オア・ペイ」条項を契約に盛り込むよう要求していた。次回交渉は9月に開かれる見通し。
ウクライナは冬の需要期に必要な貯蔵量を満たすため10月までに70億立方メートルを確保する必要があるが、これはEUから賄うことが可能だ。欧州委員会によると、欧州向けのガス輸送についてはウクライナとロシアの双方が支障を生じさせないことを約束しているという。