中東欧地域の経済が、主要輸出先であるユーロ圏の景気回復に伴い順調に持ち直している。2009年にマイナス6%に落ち込んだ域内総生産は、10年は4%のプラスに転じた。欧州復興開発銀行は、今年も同程度の成長を予想している。
\実体経済の動きに歩調を合わせるように、株式市場も回復を遂げている。10年の主要株価指数の動向を見ると、年初からの上昇率は、トルコのISEが23.5%、ロシアのRTSが19.5%、ポーランドのWIGは19.4%、チェコのPXは9.5%だった。ただ、ハンガリーのBUXは0.9%とほぼ横ばいだった。
\中東欧地域を対象にした株式ファンドは、ロシアやトルコに重点を置くハイリスク型と、ポーランド、ハンガリー、チェコなどEU加盟国に投資する低リスク型に大別される。代表的な商品の10年のパフォーマンスを見ると、ロシア株が41%を占めるアリアンツのRCMエマージング・ユーロップは、年初から28%のプラスとなり、ポーランド、ハンガリー、チェコに投資するリクソーのETFイースタン・ユーロップは22%のプラスと、ハイリスク型商品のパフォーマンスが低リスク型をやや上回った。
\独有力経済紙『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』は、中東欧の株式市場が今後も順調に回復するかどうかは、ユーロ圏の景気動向に左右されると指摘する。ただ、若年人口が豊富で、長期的にダイナミックな成長が期待できるトルコ、域内の経済大国であり、ユーロ圏への経済依存度が比較的少なく資本市場の独立性が確立されているポーランド及びロシアの3カ国については、株式市場がそれぞれ独自の発展を見せる可能性があるとしている。
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