2011/1/5

ハンガリー

フィッチ、ハンガリーの長期信用格付け引き下げ

この記事の要約

大手格付け会社フィッチ・レーティングスは12月23日、ハンガリーの長期信用格付けを見直し、外貨建て国債をBBBから投資適格等級の最低レベルであるBBB-に、現地通貨建てをBBB+からBBBに引き下げた。中期的な財政再建見 […]

大手格付け会社フィッチ・レーティングスは12月23日、ハンガリーの長期信用格付けを見直し、外貨建て国債をBBBから投資適格等級の最低レベルであるBBB-に、現地通貨建てをBBB+からBBBに引き下げた。中期的な財政再建見通しの悪化に加えて、公的金融機関、民間銀行ともに外貨建て債務をかなり抱え、ネガティブショックの影響を受けやすいことが引き下げの理由としている。

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フィッチの予想では、2010年の国内総生産(GDP)に対する財政赤字比率はハンガリー政府の目標値である3.8%に近づくが、個人所得及び法人税の税率引き下げや年金基金への国庫補助金の組替えなどを盛り込んだ新しい財政計画が今後の財政再建を難しくさせる見通し。銀行税や通信業など一部の業種への緊急特別税により新たな歳入源を確保できるものの、11年、12年は政府予測より4ポイント程度悪化する可能性がある。また、13年の経済成長率を5%と楽観的に予測していることも問題視している。

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GDP比80%という多大な累積債務を抱えるハンガリーは、迅速な財政再建を迫られている。フィッチは、中期的な財政緊縮政策への着手が遅れれば、さらに格下げする可能性があると警告。国債リスクプレミアムの大幅上昇、経済回復の遅れ、資金流入の大幅減少なども信用悪化の要因として注視している。

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