2011/1/5

ロシア

モスクワ市鉄各社、公的資金の半分を不正使用=監査当局が摘発

この記事の要約

モスクワ・メトロ、モスゴルトランス、モスクワ・メトロストロイを含むモスクワ市鉄各社は、2008~2010年の3年間で2,320億ルーブル(77億米ドル)を不正使用していた。この間にモスクワ市から割り当てられた公的資金の総 […]

モスクワ・メトロ、モスゴルトランス、モスクワ・メトロストロイを含むモスクワ市鉄各社は、2008~2010年の3年間で2,320億ルーブル(77億米ドル)を不正使用していた。この間にモスクワ市から割り当てられた公的資金の総額は約5,000億ルーブルで、この約半分が不正に流用されていたことになる。摘発した監査局は12月30日にも検事総長宛てに報告書を提出したもよう。現地紙「モスクワ・タイムズ」が報じた。

\

本件を担当した監査局のリャブーヒン氏によれば、1,220億ルーブルが調達入札に関連した不正、850億ルーブル強が不適切な支出、150億ルーブル強が公的資金の適正利用に関するガイドラインから逸脱した疑いがあるという。

\

モスクワのソビャニン市長は、2015年までに同市の地下鉄路線を現在の全長300キロメートルから350キロに延長する計画を発表しており、今回の摘発は大きな波紋を呼びそうだ。現在、地下鉄路線1キロ当たりの敷設費用は34億~69億ルーブルとされているが、モスクワ監査局のドブレチェンスキー局長は、「不正支出を防ぐことで、線路1キロ当たり3分の1程度は敷設コストを削減することができる」と指摘する。

\

モスクワでは昨年12月半ばに連邦検察局が同市交通局のガエフ局長を360万米ドルの横領で起訴し、ソビャニン市長が同局長を解雇。その2週間後に今回の摘発が起きた。同市の地下鉄をめぐる一連の疑惑は、連邦検察局の取り調べを経て、2月4日までに詳細が明らかになる予定だ。

\