欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2013/3/27

企業情報

Roland Berger Strategy Consultants GmbH―再び合併交渉か―

この記事の要約

戦略コンサルティング大手の独Roland Bergerが監査法人大手の米Deloitteと合併交渉を進めているとの観測が浮上してきた。26日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じたもので、交渉は進展した段 […]

戦略コンサルティング大手の独Roland Bergerが監査法人大手の米Deloitteと合併交渉を進めているとの観測が浮上してきた。26日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じたもので、交渉は進展した段階にあるという。同社は2010年秋、Deloitteのコンサルティング部門と進めていた合併交渉を成立直前で打ち切った経緯があり、報道内容が正しければ、交渉を再開したことになる。両社はコメントを控えている。

\

Roland Bergerは10年、事業の国際化に向けてDeloitteと合併交渉を実施。新会社の社名をRoland Berger Deloitte Strategy Konsultantsとすることまで計画を詰めていた。新会社は売上高が約30億ドルとなり、戦略コンサルティングの分野で米McKinseyに次ぐ世界2位となる見通しだった。

\

だが、このときは創業者であるローランド・ベルガー名誉会長が同年11月に開かれたパートナー集会で、国際的なプレゼンスの強化や事業規模の拡大よりも独立性を維持することが重要だと訴えたほか、事業国際化の資金として5,000万ユーロを負担することも確約したため、合併計画が破棄された。

\

それにも関わらず合併交渉を再開した背景には事業拠点網をグローバルレベルで拡張したり有能なコンサルタントチームを獲得するのが難しいという事情がある。同社売上の6割を占めるドイツの戦略コンサルティング市場が頭打ちとなっていることも追い打ちをかけている。ベルガー名誉会長はFAZ紙に対し「交渉は5人の役員からなる経営委員会の仕事だ」と述べ、合併に反対しないことを示唆した。

\

社内では合併ないし身売り先候補として監査法人大手Ernst and Young(E&Y)とKPMGの名前も挙がっているという。コンサルティング事業は利益率が高いため、監査大手各社は同事業の強化に取り組んでいる。

\