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2025/4/3

ドイツ経済ニュース速報

乗用車新車登録5カ月連続減少、3月は−4%に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日に発表した3月の乗用車新車登録台数は25万3,497台と なり、前年同月を3.9%下回った。減少は5カ月連続。景気低迷に伴う企業・消費者の 支出抑制が響いている。コロナ禍前の19年同月比では減少幅が27%に達した。 1〜3月の累計は前年同期比4.3%減の66万4,571台。19年同期比では24%減少した。 3月新車登録を動力源別でみると、純粋な内燃機関車はこれまでに引き続き振るわな かった。ガソリン車は前年同月比29.4%減の7万414台、ディーゼル車は同21.7%減の 3万7,890台とともに2ケタ減となった。 電気自動車(BEV)は35.5%増の4万2,521台と大きく拡大した。BEV購入補助金の打ち 切り(23年12月)から1年以上が経過したことからベース効果が働いている。 プラグインハイブリッド車(PHV)も65.8%増の2万6,553台と好調だった。PHVを含む ハイブリッド車(HV)は10万1,413台で、22.1%増えた。 シェアをみると、BEVは前年同月の11.9%から16.8%、PHVは6.1%から10.5%へと拡 大。HVは8.5ポイント増の40.0%に上昇した。ガソリン車は37.8%から27.8%、 ディーゼル車は18.3%から14.9%に低下した。BEVとPHVの合計のシェアは27.3%(前 年同月18.0%)、BEVとHVは同56.8%(43.4%)だった。 環境対応車のシェア拡大を受け、走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素 (CO2)排出量は前年同月比11.7%減の109.8グラムに低下した。 シェアが最も大きかった部門はSUVで、33.4%(前年同月29.4%)に上った。これに コンパクトカーが16.1%(18.5%)、小型車が11.6%(12.9%)で続いた。4位はオ フロード車で10.4%、5位は中型車で8.3%となっている。 伸び率が最も大きかった部門は前月同様、中大型車で82.8%に達した。ユーティリ ティーズ(ハイルーフコンビ、マイクロバス、ピックアップ)も17.1%増と好調だっ た。 各ブランドの実績をみると、伸び率が最も大きかったのは中国のBYDで、403.1%増の 805台を記録した。マクサス(333.3%増の13台)、モーガン(120.0%増の11台)も3 ケタ台の伸びを記録した。 ドイツ車ではMAN(22.6%増の168台)、VW(5.7%増の5万935台)、アウディ(2.4% 増の1万7,608台)、メルセデス(1.6%増の2万2,057台)が増加。BMW(2.4%減の2万 857台)、フォード(17.5%減の8,752台)、ポルシェ(20.8%減の3,227台)、ミニ (26.0%減の2,488台)、オペル(26.1%減の9,581台)、スマート(84.0%減の240 台)は減少した。 日本車はホンダ(25.7%増の1,008台)、レクサス(13.5%増の387台)、日産 (13.1%増の4,892台)が2ケタ台の伸びを記録し、スバル(5.3%増の459台)も前年 同月を上回った。そのほかは、マツダが5.5%減の5,292台、トヨタが14.6%減の 7,386台、スズキが17.3%減の2,659台、三菱が66.9%減の1,788台だった。 日本車以外の主な輸入ブランド(シェア1%以上)をみると、ルノー(45.7%増の 5,959台)、セアト(20.7%増の1万7,209台)、ダチア(13.7%増の6,914台)、シュ コダ(13.6%増の1万8,547台)、プジョー(12.6%増の6,008台)は増加。ボルボ (11.4%減の5,191台)、現代(15.5%減の7,931台)、フィアット(21.6%減の 5,076台)、起亜(30.8%減の4,631台)、シトロエン(42.7%減の4,427台)は減少 した。BEV専門の米テスラは42.5%減の2,229台となり、シェアを0.9%へと落とし た。 BYD以外の中国車はMGロエベが34.7%増の2,100台、リープモーターが332台、シャオ ペンが176台、GWMが56.4%減の134台、NIOが56.3%減の21台、リンク・アンド・コー が3台。ベトナムのビンファストは50.0%増の9台だった。 一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した3月の国内乗用車生産台数は39万1,300 台となり、前年同月を8%上回った。輸出台数も8%増え、30万4,300台となった。1〜 3月の累計は生産台数が前年同期比5%増の108万4,500台、輸出台数が5%増の82万 2,400台となっている。