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2025/3/27

ドイツ経済ニュース速報

再生PA6の商業生産をBASFが開始

化学大手の独BASFは27日、100%繊維廃棄物から作られるポリアミド6(PA6=ナイロン 6)である「ループアミド(loopamid)」の商業生産を上海市漕鎮の工場で開始し たと発表した。ループアミドの商業生産は初めて。繊維産業で増大する再生PA6の需 要を取り込んでいく。シュテファン・コトラーデ最高技術責任者(CTO)は「ループ アミドは繊維廃棄物を資源に転換し、省資源と繊維循環の環を閉じることに寄与す る」と意義を強調した。 ループアミドは古着や産業繊維廃棄物を原料に作られる。複数回のリサイクルが可能 で、素材特性はバージンポリアミドと変わらない。西アパレル大手インディテックス はループアミドを用いたジャケットを昨年1月に試験販売した。 漕鎮工場のループアミド生産能力は年500トンに上る。生産設備と製品はすでにグ ローバル・リサイクル・スタンダード(GRS)認証を受けている。 生産では差し当たり、アパレルメーカーなどの製品製造工程で発生する繊維廃棄物を 原料に用いる。古着など使用済みの繊維については投入比率を段階的に引き上げてい く。 使用済みの繊維には様々な種類の繊維・材料が用いられているうえ、塗料や添加剤が 使われている。ファスナーやボタンなどを取り外す手間もかかることから、再生利用 のハードルが高い。BASFは協業先や顧客メーカーと共同で適切な回収・仕分け体制を 構築する意向だ。