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2025/3/11

ドイツ経済ニュース速報

VWが30%減益に、ソフト子会社で人員削減

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループが11日に発表した2024年12月期決 算の税引き後利益は123億9,400万ユーロとなり、前期を30.6%下回った。中国事業の 悪化やリストラが響いた格好で、営業利益も15.4%減の190億6,000万ユーロに後退。 売上高は0.7%増の3,246億5,600万ユーロで、売上高営業利益率は前期の7.0%から5. 9%に低下した。 営業利益を部門別でみると、商用車のトレイトンは増益となったものの、乗用車は大 衆車、高級車、スポーツ車の3部門すべてで減少した。ソフトウエア子会社カリアド と電池部門では赤字が拡大。それぞれ1.6%増の24億3,100万ユーロ、152.5%増の10億 5,300万ユーロに膨らんだ。 25年12月期は売上高で最大5%増、売上高営業利益率で5.5~6.5%を見込む。 カリアドでは人員削減を行うことが、同日付のdpa通信などの報道で明らかになっ た。従業員5,900人のうち1,800人を年内に整理する。広報担当者は、VWのオリ ファー・ブルーメ社長が23年に開始した同子会社の再編がこれで完了すると述べた。 カリアドはVWのディース前社長が立ち上げた子会社。ディース氏は車載ソフトを基本 的に同子会社ですべて内製する方針だったが、開発が遅々として進まず、グループブ ランドの新車販売が大幅に遅延するという問題が発生したことから、後任のブルーメ 氏はソフトを外部企業と共同開発する方針に転換した経緯がある。広報担当者はソフ トの質が改善するなど「成果が見えてきた」と強調した。